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病気のライフスタイルをめちゃめちゃ考えるブログ

【第三部】天疱瘡の原因(食事・代替療法・ストレスその他)を探る:患者さんの体験談から

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さて、最後になりました。【第3部】は、患者さんの体験談から、天疱瘡の原因を探る試みです。

  • 天疱瘡を引き起こす・治す・悪化させる食べ物はあるのか
  • 天疱瘡に代替療法は効果があるのか
  • 天疱瘡は、ストレスや紫外線など、外的要因によって引き起こされる・悪化するのか

 第1部と第2部で、科学的根拠を一生懸命追ってきて、論文も積極的に否定してきましたが、第3部は少し向き合い方を変えようと思います。

 紹介するにあたっては、第1部、第2部と比較した妥当性や根拠は論じません。

 自己免疫疾患は、まだわからないことが多い病気です。もしかすると、食事やストレスについても、新しいことが発見されるかもしれません。

 こういった発見は、研究者であるお医者さん自身が、真面目に研究して発見していってくれればそれでいいのですが、実際に病気を体験している患者さんが残すデータも、何らかの意義があるんじゃないかな?と私は思います。

 患者さん一人ひとりの試行錯誤や、実験の妨げにならないよう、現在の医学との対比は行わないことにします。

   色々試してみて、それで症状が楽になるなら、それが一番ですよね。

 

 これからご紹介する情報は、科学的な根拠を一切度外視してご紹介するものです。

 これを医学的な根拠だと解釈するのは絶対にやめてください。

 以下の情報の中には、免疫を増幅してしまう治療法が含まれている可能性もあります。

 自己免疫疾患で免疫増進を行った場合、命に関わりますので、以下の治療法を試す際には、必ず主治医にご相談ください。

 

 

更新日:2019.1.31

はじめに

 医療情報には、主に3種類あると私は考えています。この記事では、3種類を明確に区別しながら、書いていくことにします。

1.医学界の公式情報

 政府や研究機関、学会の公式情報。医師はこういった公式情報に基づいて治療するため、信頼性は100%でなければならないし、患者の大半に当てはまる情報でなければならない。

 医学界の公式情報を読み解いた記事はこちら。

 

www.hellomyfighters.com

 

2.医学論文の事例

 医学界の公式情報とは異なる稀な事例や、新しい考え方を発表する場。科学的な説得力が常に求められる。「査読論文」は学会の偉い人たちがOKを出したということで、極めて信頼性が高い情報。

www.hellomyfighters.com

 

3.患者さんの体験談

 まだデータが足りず、科学的に検証できないが、実は革新的な新事実が含まれていることもある。こういった新事実が、今後、医学論文になる可能性もある。

 ただし、不適切な実験、主観的な分析、無知により、全く科学的根拠のない情報に仕上がっているケースもあるので、細心の注意が必要。

 

患者さんが自分自身を研究する方法

 患者さんの体験談を紹介する前に、先にこの話をさせてください。

 みなさんは、これから様々な生活改善をされるかもしれませんが、主観的な判断や勘違いに基づいて、生活改善をしてもあまり効果はないと思います。こういったことを防ぎ、より生活改善を効果的にするためには、きちんとした記録を取ることがとても大事です。

 毎日、

  • 症状
  • 食べたもの
  • その他、病気の要因として考えるもの

 を記録してみてください。何十日もやっていると、症状の波と、別の要素が連動している規則性が見えてくるかもしれません。

 こういった規則性の発見は、生活改善・症状軽減に役に立つ可能性があります。

 この方法は、国際天疱瘡・類天疱瘡財団(天疱瘡患者のサポート団体)でも推奨されています。

We recommend keeping a food calendar or journal. Write down all of the foods that you eat each day, along with your disease activity. Over time you may begin to see patterns form. For example, you may see that every time you eat onions, new lesions appear or current lesions worsen. You then can try to omit onions from your diet to see if it helps.

(我々は、食事日記をつけることをおすすめします。毎日食べたもの全てを書き出し、症状を記録します。時間が経つと、規則性が見えてくるかもしれません。例えば、玉ねぎを食べると毎回水疱ができるとか、悪くなるとかです。そうなれば、食生活から玉ねぎを抜いてみて、効果があるか確かめることができます)

出典元:Nutrition | International Pemphigus Pemphigoid Foundation (IPPF)

 

 実際に食生活などを変えようと思うとき、お医者様に「キャベツを抜こうと思うのですが」と突然話をしても「??????」という反応が返ってくるかもしれません。

 でも、この日記を見せれば、なぜあなたがそう思ったのか、ちゃんと伝わるでしょう。

 お医者様とのコミュニケーションを向上させるためにも、こういった記録の工夫をしてみるのはいかがでしょうか。

 

英語圏と日本の患者さんたちの情報源

 患者さんの事例がたくさん集まる場所としては、今挙げた国際天疱瘡・類天疱瘡財団があります。残念ながら英語対応していないので、英語話者のみが対象になります。

 こちらは、論文の事例を含む教育コンテンツ(HP)、ワークショップなど、患者さんへの医学情報の提供を非常に頑張っています。

 また、患者さんの個別相談も受け付けており、その相談の傾向も、財団の提供情報の中に取り入れています。このため、立ち位置としては、医学論文の事例と、患者さんの体験談の真ん中くらいの立ち位置かなと思います。患者さん側も、財団が発信する情報に当然影響を受けているので、医学論文の知識にも割と引きずられていると思われます。

 日本には、このレベルで教育を行っている団体はありませんし、海外の論文の情報を紹介するHPもないです。このため、患者のみなさんは、かなり手探り状態で、独自の治療法を育てていらっしゃるように思います。

 

1.患者さんの体験談:天疱瘡と食事

 個人的にめっちゃ面白いなと思うのが、英語話者さんたちが原因と考えている食べ物と、日本語のブログで原因と考えられている食べ物、全然一致していないんです。

 まずこれが、財団と交流がある英語話者さんたちが原因と考えている食べ物です。

患者さんが問題を報告した食べ物
※これらの食品を抜くときは、お医者さんに相談してください。

柑橘類、すっぱい果物、ベーグル、にんにく、

ポテトチップス、バーベキューソース、

ホースラディッシュ、レリッシュ、唐辛子、

玉ねぎ、レッドソース、チョコレート、

ピクルス、トマト、クレオール料理、

ポップコーン、ウスターソース、プレッツェル、

トルティーヤチップス、赤ワイン、コーヒー

 引用元:Nutrition | International Pemphigus Pemphigoid Foundation (IPPF)

 

 英語話者さんたちは、明らかに【第2部】で紹介した、タンニン・アリルなど説を意識しているなという感じがします。財団でも、タンニン・アリル説を公開しているので、認知度が高いんでしょう。にんにく、ホースラディッシュ、レリッシュ、玉ねぎ、レッドソース、トマト、赤ワイン、コーヒーは、タンニン・アリル説に引っかかる食べ物ですね(多分!)。

 これに対して、日本のブロガーさんは、ほんの少し見せていただいただけですが、非常に多くの方が、野菜中心の食生活を提唱していらっしゃるような気がします。

 タンニン・チオール・アリル等はいずれも、野菜に含まれている成分で、含まれていない野菜を見つける方が至難の技です。カブ類、キャベツ類(ブロッコリー含む)、じゃがいも、トマト、ネギ類(玉ねぎ含む)などなど・・・。

 こういった食生活を続けて、天疱瘡に対して効果を感じていらっしゃるということは、タンニン・アリルなど説の妥当性はないんじゃないかと思いますし、逆にタンニン・アリルなど説で効果を感じていらっしゃる方がいるんだとすれば、野菜中心の食生活の妥当性も疑われますね。

 日本と英語圏の考え方は、何となく対立した考え方のように私は感じます。

 

 海外の事例ではみられない、日本のブロガーさん特有の動きとしては、食生活に、新たな食品を足そうとする方が多いと思いました。

 何かの食品を用いて、「免疫のバランスを整えよう」という考え方というか、「薬膳」につながる考え方なのかなと思います。 

 もう一つ、これを言うと気を悪くされる方がいらっしゃるかもしれないのですが、日本の自己免疫疾患ブロガーさんは「免疫を高めるように頑張る」的なことを書いていらっしゃる方が時々いらっしゃいます。

これは医学的には目指す方向が真逆だと思うのですが、ご本人としては、きちんと効果を感じていらっしゃるように見受けられます。

 一応「天疱瘡は免疫を抑制して治療する」という医学的なコンセンサスが正しいと仮定すると、

 ・患者さんの頑張り方は、総合的に見ると、免疫抑制方向に働いている

 ・免疫を増幅しようと頑張っても、そんなに高まるわけではない

のどちらかだと思います。

 

 海外の事例と比較すると、日本人の「病気を治す生活」の考え方が、とてもよくわかります。インドやイランに行くと、また違う考え方がされているのではないでしょうか。医学というか、社会学的に面白いです。

 

2.患者さんの体験談:天疱瘡と代替療法

 代替療法については、大変申し訳ないのですが、まとめるのをやめにします。

 自己免疫疾患の患者さんの中には、代替療法を売るビジネスを経営している方もいらっしゃいます。

 しかし、このブログのスタンスとしては、「医学的コンセンサスを正とし、個別の論文は綿密に事実関係を調べた上で信じる」という、非常に了見が狭い価値観があるので、どうしても批判的にならざるを得ません。

 個別の療法を紹介するのは、患者さんがお辛い中立ち上げたビジネスや、せっかく見つけられた価値観を踏みにじってしまうため、控えさせていただきます。

 

3.患者さんの体験談:天疱瘡とその他の要因(ストレス、紫外線など)

 その他の要因については、ストレスは英語圏からも、日本からも、多くの患者さんがいろんな仮説を立てて、報告されています。

 これに加えて、日本のブロガーさんは、生活習慣に関するかなり詳細な項目を気にされている方が多いと思います。

 睡眠時間、性格(神経質とかだらしないとか)、日々の活動量、運動量、添加物、洗剤類、電化製品の使用量、サプリメント、「毒素」、人生への向き合い方などなど、無限です。

 恐らく日本のブロガーさんたちの間では、生活や心のありようを含めた全てのバランスによって病気が起こるという東洋医学(なのでしょうか?)的な考え方が極めて強く、自己免疫疾患も同じように、バランスを崩すことで引き起こされているという考え方をされているのだと思います。

 

 以上となります。100万回繰り返しますが、

いかなる治療も独断で行わず、医師に相談しないと命に関わります。

 

 第1部〜第3部までまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。

 少しでも、ご自身の病気の理解の助けになれば、幸いです。

 言うまでもありませんが、私は医学の知識も経験もなく、ただ英語が読めるだけの人です。信憑性については、十分に気をつけてください。というか、この【第3部】については、私個人の考え方とも真逆を行くものなので、あまり内容については突っ込まないでください。

 

 患者さんの体験談をより効果的に!よりきちんと!発信する方法をまとめました。こちらも併せてどうぞ。

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