箇条書きブログ
ハッシュタグは仲間を増やすツール
- 英語の病気コミュニティではハッシュタグがめっちゃたくさんある
- 「#Spoonie(スプーニー)」は、病気によって体力が減少し、限られた体力を計画的に使わなければならない人。「今日はお風呂に入るために体力を温存するから、散歩には行けない」とか。
- 「スプーニー」は是非日本でも流行らせたいけど・・・ちょっとダサい?
はじめに
SNSのハッシュタグは、「好きな情報を見られるツール」を超えたものになりました。
現在、ハッシュタグは、同じ情報を必要とする人たちがお互いを見つけ、コミュニティを作る手段となっています。同じハッシュタグを使う人々は、「仲間」となることができるのです。
英語の病気コミュニティにおいては、ハッシュタグは非常に重要視されており、広く共有されています。
このハッシュタグの元、情報を共有し、みんなが仲間になっています。
この記事では、英語の病気コミュニティではどんなハッシュタグがあるか、紹介してみます。
もし面白いのがあれば、日本でも広めたら面白いんじゃないでしょうか。
#chronicillness
読み方:クロニックイルネス
意味:慢性疾患
日本語でいうなら:#難病
日本語の「難病」にあたる英語の言葉はありません。
日本語の「難病」は、「難治性」かつ「希少」という概念だと思いますが、英語では、「Chronic Illness(慢性疾患・難治性疾患)」、「Rare Disease(希少疾患)」の2つの単語に分かれます。
「Chronic Illness」は、慢性疾患全般を指す言葉ですので、「難病」には含まれないガンを含み、色んな病気の人が使える言葉です。
精神疾患の場合は、「Mental Illness」と別の言葉を使用するケースが多いように思いますが、これも慢性であることは確かなので、使っても問題ないと思います。
#invisibleillness
読み方:インビジブルイルネス
意味:見えない病気
日本語で言うなら:#見えない病気
難病の多くは、外見からはわかりません。それを、「見えない病気」と言う言い回しです。
現在、日本語では「#見えない障害」という言い回しがありますね。目立つ身体障害でなくても、周りの人の助けが必要な人を指します。こういった人が自分の状況を発信できるツールが、「ヘルプマーク」ですね。
「Invisible Illness」は、周りの人の助けが必要でなくても大丈夫。
「助けをもらいたい」というよりは、病気が目に見えないために、「病気なの?全然健康そうじゃない?嘘じゃない?」みたいな無神経な言葉に晒されることに対する怒りが込められたハッシュタグだと思います笑
同じような怒りがこもったハッシュタグとして、#butyoudontlooksick(でもあなた病気に見えないじゃない)というものもよく使われています。
#spoonie
読み方:スプーニー
意味:スプーンの人/病気により体力が極端に減少し、毎日出来ることが限られている中で暮らしている人
日本語で言うなら:#スプーニー
この言葉は、病気界の大発明と言ってもいいと思います。
spoonieは、「spoon(スプーン)」から来た言葉です。
2003年、クリスティーン・ミセランディーノというループス腎炎の患者が、「The Spoon Theory(スプーン理論)」というエッセイを書きました。
その中で、彼女は、「自分の体力はスプーン12杯分である」と例えています。
毎日の暮らしの中で起こる出来事、例えばベッドから起きる、シャワーを浴びるといった日常生活でさえも、スプーン1杯分の体力が奪われてしまう。
体力を使い切らないように、健康な人なら何ということもないような活動も、計画したり、妥協したりしなければならない状況を、スプーンで表したのです。
この「スプーン」の例えは、Chronic Illnessのコミュニティで爆発的に流行しました。
現在は、そのような限られた体力を計画的に使わなければならない人のことを「Spoonie」と呼ぶようになったのです。
この言葉のすごいところは、病気の種類を問わないところです。日本で言う難病だろうが、ガンだろうが、一切関係ありません。
「できることが限られている」というその事実だけで、病名を超えて、全ての病気の人が繋がることができるのです。どんな人も「Spoonie」なのです。
病名を問わず、「Spoonie」に向けたブログ、SNS投稿は山程あります。どんな病気でも、コミュニティに参加することができるのです。
また、現在は、この言葉の意味を更に拡大して解釈しようという動きもあります。
狭い意味の「Spoonie」は、病気により体力が極端に減少している人であって、例えば毎日通勤して8時間働いている人や、精神疾患の人は入っていけない概念でした。
しかし、スプーンの本数は多いかもしれないけど、毎日働いている人でも、生活が制限されていることがある。 精神疾患で、毎日外出できていても、出来ることが限られていることもある。
そういう人たちも、広い意味では「Spoonie」じゃないか、という主張をしている方たちもいます。
個人的に、この言葉は、是非日本でも使っていきたい言葉です。
日本の病気コミュニティでは、希少疾患の人が孤独になる構造になっています。
私の病気は、日本で数百人しか確認されていないらしい皮膚病で、未だに同じ病気の人が一人もSNSで見つかりません。
同じ病気の人だけで団結するだけでは、私のような希少疾患の人は、いつまでもひとりぼっちのままです。
同じ言葉で、もっとつながっていきたい。そのために、「スプーニー」をもっと広めていきたいと思います。
#〇〇warrior, #〇〇fighter
読み方:〇〇ウォーリアー、〇〇ファイター
意味:〇〇の戦士
日本語で言うなら:#病気に負けない
〇〇のところには、病名や、「spoonie」「chronic illness」などが入ります。
この言葉の重要なところは、患者さん自身が、戦士を「自称」しているというところです。
健康な人が作った言葉じゃないんです。患者さんが、「自分たちは病気と戦う戦士なんだ、だから誇りを持とう」と作った言葉なんです。
ハッシュタグのニュアンスとしては、既にある「#病気に負けない」のハッシュタグと近いかなと思います。
おわりに
少し、海外の風を感じていただけたでしょうか笑
「スプーニー」については、マジで広めていきたいです。もうちょっと可愛い感じならなおいいんですが・・・「スプーン」が入った言葉で、いいものありませんか?

