箇条書きブログ
薬剤師をもっと活用しよう!
- 高校の時の友達、あゆみさんは薬剤師として働いていて、薬剤師を活用するコツを教えてくれました。
- 「薬が飲みにくいな」「薬を飲むタイミング、生活リズムにあってないな」と思うこと、ありませんか?薬剤師さんが解決できることがあるかもしれません。
- 薬に関する悩みは、病院に常駐してる薬剤師さんでも、調剤薬局の薬剤師さんでも、質問してみてね!
はじめに
今回は、初めて!我がブログにゲストをお迎えすることができました。
薬剤師の、あゆみさんです。
何でこんなことができたか、といういきさつを少しお話しします。
私は、その他の多くの難病の方と同じく、はっきりした病名がわかるのにかなりの時間を要しました。といっても、皮膚病は客観的に観察がしやすいこともあって、独特の症状がでて間もなく病名がついたので、4ヶ月で済みました。年単位でかかる人もいるのですから、難病的には「超迅速」と言えるでしょう。
ですが、まあアレルギー性鼻炎と結膜炎しかかかったことない人にとっては、かなりイライラする待ち時間でした。その上、日本語では全然情報がなく、英語ではゴロゴロ情報がでてくるという「言語間格差」を見せつけられ、私はもうカンカンでした。
その怒りに任せて作られたのが、このブログです。
ブログを作ってすぐ、Facebookに自分の気持ちを2000字級の文章にして叩きつけたところ、コメントをくれたのが、高校の同級生、あゆみさんでした。
もう10年以上会っていないのにも関わらず、コメントをくれた勇気に、本当に感謝です。
あゆみさんは、薬剤師になっていて(それも知らなかった)、「何でも聞きたいことがあれば聞いて」と手を差し伸べてくれました。
これ幸いとばかりに、「ブログ記事を書いてくれ!」とお願いしたのが、こちらの記事になります。
あゆみさんってどんな人?
職業:病院薬剤師(大学病院→市立病院)
得意な分野:緩和医療と感染症
モットー:親切第一
高校時代のあゆみさんは、すげーカッコよかったです。
2000年代後半って言ったら、高校生の間にも巻き髪が流行っていたと記憶していて、ギャル的な意味で人気のある子は、ゴリゴリの巻き髪をしていたと思います。
でもあゆみさんは、ストレートのウルフっぽい髪型をしてました。発言も全く人に媚びたりしなくて、髪型だけじゃなくて、雰囲気が狼みたいな感じ。ロックンロールでパンクな感じ。
すべての高校生映画に絶対に出てこなければならない、「クールガール」的な存在だったんですね。
クラス中の女子は、あゆみさんを一言で表したら、未だに「かっこいい」って言うと思うわ。
みなさんの中の「クールガール」を思い浮かべてください。その人が書いてます。
あなたを治療するチームの一員として、薬剤師ができること
by あゆみさん
あなたの「持病」はなんですか?
わたしは普段、病院で薬剤師をしています。
薬剤師というと、ただ薬局で薬を出すだけの人という印象があるかもしれませんが、実は、薬剤師は、患者さんの闘病に協力ができます。
今日は、いち薬剤師としてのわたしから、その方法を解説したいと思います。
病院薬剤師のしごと
病院薬剤師は、入院患者さんたちのベッドサイドへ行き、新しく始める薬の説明をおこなったり、薬の効果や副作用を確認したりします。
また、少し意外に感じるかもしれませんが、医師の治療が適切に行われているかチェックしたり、患者さんからの要望に対応するのも、薬剤師の仕事の一つです。
カルテで検査値などを見ながら、適切な治療が行われているか?患者さんから何か訴えがないか?そんなことを確認して患者さんに会いに行き、「〇〇の治療は順調ですよ」「もしかしてめまいがしてない?」「お腹が痛いっていつから?」などお話をして回ります。
その際に、飲んでいる薬や、治療方法などについて質問をいただけば、じっくり説明することができます。資料が欲しいと言われればメーカーから取り寄せたり、時には自分で作成もしています。
また、質問だけではなく、具体的な要望にお応えできることもあります。例えば、慢性疾患の方の中には、たいして美味しくもない栄養剤だけで食事を済まさなくてはならない人もいるでしょう。甘いのが苦手で吐きそうになりながら飲んでいる方をよく見かけます。そういった場合には、少しでも飲みやすいよう味の変更提案をしたり、別の栄養剤に変えられるかどうか相談したりすることもあります。(そのために、薬剤師はたいてい栄養剤の味見をしています。)
治療方針に関する要望をいただいたときは、医師と協議をしながら、飲み薬や点滴の内容を変更してもらうこともあります。
薬剤師の役割
あなたが「持病」を持ってからの人生を、学校での長距離走で例えてみましょう。私は運動が大っ嫌いで、今でも階段の上り下りすら面倒です。
走るのは、あなたです。「今日はグラウンド3周だ」と言って先頭を走っている先生が、医師。治療の道筋を立てて、あなたを引っ張ってくれます。準備運動や水分補給は、あなた自身が行う薬の内服。日頃からの予防や、酷くなってしまったときの追加治療が大切ですよね。
では、薬剤師は?わたしは、一緒に嫌がったりしながらも声を掛け合って何とか完走する友達が、薬剤師だと思っています。
’’チームの一員としての患者‘’になってほしい
あなたはこれからしばらくは、「持病」と付き合っていくことになります。その中で困ったり、辛い気持ちを吐き出したくなったり。いろんな日があるでしょう。
あなたにこれから必要なのは、‘’チームメイト‘’です。
医師でも、看護師でも、薬剤師でもいい。病院であれば、カウンセラーさんがいるところもありますね。医療関係者はみな、それぞれあなたを治療するチームの中で役割を持っています。何か困ったときには、専門知識を生かして、あなたを助けてくれるでしょう。
医学書や論文を読んだり、ググらなくても大丈夫。なにかあったとき、チームメイトに、きちんと任せましょう。そして、チームメイトの選択肢は、いくつか持ってほしいと思います。
あなたのチームメイトとして、薬剤師ができること
薬剤師があなたにできることは、大きなことではありません。手術で治せるわけではないし、点滴を取り替えることもできません。わたし自身、手を握って励ますことしかできずに悔しい思いをすることもありました。
しかし、薬剤師にも、チームメイトとしての役割があります。「持病」を持つあなたの「薬を飲まなければいけない毎日」を、より良くすることです。
働いているなら昼食後は薬がない方がいいな、これは副作用かもしれない、ライフイベントを遂行できるようにあらかじめ薬を調節しよう。患者さんと相談し、より良い案を考え、医師に伝えることができます。
慢性疾患や難病に使うお薬は、「この薬以外ない」というものが、他の病気に比べると確かに多いです。
味が激マズでどうやって飲んだらいいかわからないような薬、薬自体が大きくて回数も多くて職場に持っていくにはちょっと・・・なもの、など、服用に際していろいろな課題を抱えている薬もあります。
もし「困ってるよ!」と相談してもらえれば、似たような薬で服用回数が少ないものや副作用がもう少しマイルドなもの、味が悪い薬が飲みやすい方法を調べたり、変更してもいいか先生と相談したりすることができます。(もちろん変更できないこともありますよ!)
入院中は、もちろん病院薬剤師がこういった役割を果たします。通院されている方には、病院と調剤薬局、どちらの薬剤師も対応が可能です。
いきなり調剤薬局だとちょっとハードル高いな…と感じるようであれば、まずは通っている病院の薬剤師に声をかけてみてください。喜んでお手伝いさせていただきます。病院の薬剤師から、いつも通っている調剤薬局の薬剤師と連携をとることもできますよ。
あなたの「持病がある毎日」を、チームメイトとして支えていく中で、患者さんが良くなれば嬉しいし、悪くなれば辛い。経過を長く見ているだけに思い入れも強くなり、お亡くなりになった時には泣いてしまう日もあります。
あまり目立たない日陰の存在ではありますが、これが薬剤師のしごとだとわたしは思います。
さいごに
「持病」のある生活を送るあなたのために、一緒に走ってくれる薬剤師が、きっといます。疲れている時は、歩いたっていいんです。たまには授業を投げ出したってかまわない。どんなあなたでも、向き合って、知って、チームメイトとして支えていきたい。
何か知りたいこと、わからないこと、不安なことがあるあなた。ちょっとだけ勇気を出して、「困ってるよ」と、言ってみてください。
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