みなさん、そしてみなさんの自己抗体さん、こんにちは。
今日は、自己免疫疾患のTED talkをご紹介します。
TED talkとは、アートからサイエンスに至るまで、様々なテーマのプレゼンテーションを聞けるイベントです。
その道の第一人者が、一般大衆向けに噛み砕いた話をしてくれるので、とても面白いです。
何より、ほぼ全てのビデオに、日本語訳が付いてるのがいいですね。
What happens when you have a disease doctors can't diagnose
日本語字幕は、ビデオ右側の吹き出しマークからJapaneseを選択してください。
本日ご紹介するのは、慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)の患者さんです。
「慢性疲労」と聞くだけでは、「ちょっと疲れやすい人なのかな」くらいに思ってしまうのですが、慢性疲労症候群の患者さんの中には、疲労感のあまり寝返りすら打てない方がいらっしゃいます。
自己免疫疾患は、発症まではピンピンして活動的に生活している人も多い病気です。その生活の落差、絶望感は、想像しただけで涙が出ます。
自己免疫疾患の多くは、お医者さんが症状を見て「ピン」と来てくれるまでは、なかなか病名に辿りつけません。医師の第六感頼みです。
しかし、天疱瘡のように目で見て異常が確認できる病気と異なり、体の中で進行する自己免疫疾患では、第六感は相当鈍くなりそうです。
この発表者のJennifer Breaさんも、病名がつくまでに、医師の思い込みや決めつけと戦わねばならず、その経験を話していらっしゃいます。
「今の医学は進んでいるけどさ、限界もあるのは当たり前フフン」と軽〜く思っていませんか?
私も病気になるまで思っていました。
でも私が想定してたのは、「治せない病気もある」とか「やっぱり死ぬ時は死ぬ」とかその程度でした。
「医師も人間であり、第六感が働かないことがある」とは思いもしなかったです。全部マニュアル化されてて、診断の基準もあって、効く薬があっても、最初の入り口が勘スタートなわけで、正しい入り口に入れるかどうかは定かではありません。
だからこそ、医師を含む社会全体から、偏見や思い込み、迷信を排することはとても重要なんですね。
医師だけが迷信から自由でも、多分上手くいかないと思います。結局、周りが呪術的だと、医師も人間なので、だんだん呪術的になってしまうのは当然ですもんね。
Breaさんが、こうやって観衆の前で自分の話をして、しかもその話を個人的な悲劇談ではなく、社会への教訓として伝えることができるというのは、大変尊敬します。
患者側の態度として、見習わなければならないと強く思います。
このように強いメッセージを発信したからこそ、観衆も涙したのでしょう。
どんな時にも社会にポジティブな影響を及ぼそうと望む精神に、私も立ち上がって両手を振りたいです。